「かっこよ…………っ!! 最高じゃん……!」
「無事、アミレス様のご希望に添えたかと自負しております。ささ、こちらにマントの予備の方もありますので、こちらもどうぞご覧下さい」

 口元を押え、あまりのかっこよさに私は小さく震えていた。そんな私にメイシアが手渡して来たのは一枚のマント。お試しでこんな肌触りですよーと教える為の物のようだ。こちらもまた制服本体と同じで、外側が黒に近い青……そして内側が明るい青となっている。
 何より肌触りがめちゃくちゃ良い。なんだこの肌触り。
 マントに頬をすりすりしてはその肌触りを体感していると、マクベスタと師匠が制服本体の方をまじまじと観察しながら話す声が聞こえて来た。

「……これは、凄いな。かなりかっこいい」
「姫さん天才じゃん、色数がちと少ねぇが寧ろそれがいい味出してやがる。てかマジで姫さん天才じゃん……今度俺の服も考えて貰おうかねぇ」
「えっ、ズル──……いや何でもない聞き流してくれ」
「お前今ズルいっつったよな? なぁ??」
「気の所為だ、師匠」
「おい逃げられると思ってんのかァ〜〜?」

 ふいっとそっぽを向いたマクベスタの顔を無理やり自分の方に向け、悪魔のように笑う師匠。「離してくれ、師匠」「ハハハ、離して欲しけりゃ正直に白状するんだな!」と、本当に仲良くじゃれ合っているようだ。

 そんな二人を他所に私はメイシアと共に次々梱包されてゆく制服を眺めていた。メイシアが手をパンっと鳴らした瞬間、部屋に何人もの侍女達が現れ、無駄のない動きで商品の梱包を始めたのだ。
 そしてその際、メイシアに随分と綺麗な箱を手渡した侍女が一人いた。それは何? と私が尋ねると、メイシアは待ってましたと言わんばかりに、自信満々にそれを開ける。

「…………その、アミレス様はよく体を動かすようですので……そんなアミレス様の為に、用意したのです」

 頬を赤らめて、メイシアは箱を差し出してきた。その中身はブーツ。しかし素人の私が見ても絶対高級品だと分かる精巧さと美しさのもの。
 そして何より──ヒールブーツだ、これ。そのヒール部分が金属製なのかしら……金色で、それに合わせて靴底も金色の何かで作られている。それなのに、いざ手に取るとやけに軽い。
 どういう事だと訝しげにブーツを見つめていると、メイシアがポッとしながら話し始めた。