「……俺の見込んだ通りだな。そんなお嬢さんにはこの爆裂の魔眼を与えよう。これはその名の通り視界に映るありとあらゆるものを爆破する事の出来る魔眼だ。ただし条件として爆破する対象に起爆剤として自分の魔力を纏わせる必要がある上、魔力の消費も激しい。だが…………延焼の魔眼と組み合わせたら最っ強になると俺は思う」
「なるほど、確かにその通りですね」
「だろ? だからこの二つの魔眼を──」

 エンヴィー様が楽しそうに語るそれを聞き、相槌を打つ。
 延焼の魔眼は魔力さえあれば何でも燃やす事が出来る。それが自分の魔力でなくても、だ。
 しかし延焼の魔眼が発動したとなればその火はわたしの管理下にあり、若干ではあるもののわたしの魔力との繋がりが生まれる。
 つまり──延焼の魔眼で燃やしたものはその瞬間に爆破も可能になるという事だ。
 確かにかなり強い組み合わせになると思う。これがあれば……もしかしたら本当に、皇帝陛下を……。

「──ま、今ここで魔眼の摘出と挿入をする訳にもいかねぇから。また今度、帝国に戻ってからゆっくりとやろうじゃねぇか」
「……分かりました」

 今すぐ魔眼をいただけると思っていたのにそうではないと知り、少しがっかりしてしまう。
 だがしかし帝国に戻ったら爆裂の魔眼をいただけると約束して貰えたので構わない。
 ……楽しみだなぁ。アミレス様の為に強くなれるのが、凄く楽しみだな。