『何か一つ、お前達が権能としたいものを指定しろ。それをお前達の権能として認めてやる』

 まず最初に、四体の精霊が自然から火、水、風、土を選び、その四つが基本となる四大属性になった。
 その次に一対の精霊達がそれぞれ光と闇を選び、それが希少属性となる。
 ただこの二属性はあまりにも強力過ぎた為、その一部を切り離して別の精霊が受け持つ事となる。光からは時。闇からは終。二つの属性が生まれた。
 その次に、その四体に続き自然から氷、雪、雷、石、花、毒、空、色、蟲、翼、鋼、腐を選び、それらが自然派亜種属性になった。
 人々の面白おかしい営みを見守る為に作り出された精霊達の中には、その人々の営みから権能を選んだ者もいた。
 それらは病、夢、儡、音、愛、詞、禱、鏡、智、美、心、逆、悪、奪、血、呪、創、変、宝を選び、それらが人道派亜種属性となった。
 これにより各々が選んだものに因んだ属性を得、それを権能として保有する事となる。この三十九体の精霊達を後に、各属性の魔力の管理者……最上位精霊と称するようになる。
 そして最後の一体には星の魔力、星の権能が与えられた。それはこの精霊達を統率する者に与えられた、二つの世界の管理権限。
 一つは精霊界……もう一つは人間界。まぁ、人間界の方は、正確には魔力の管理なんだけども。
 精霊達の持つ力の中で最も神に近く神に等しい権能、それが星の権能だ。それを神直々に与えられ、ありとあらゆる面倒事を押し付けられたのが──精霊達と魔力属性の統括者、精霊王だ。