翌日、私は保健室に着くと真っ先にソース味のお菓子セットを渡した。

《いつもの飴のお礼です》

「え?いいの、ありがとう」

織田くんは嬉しそうに袋の中を見る。


「狩野ちゃん……めっちゃ嬉しいねんけど、ソース味の飴ちゃんにたこ焼き味のスナックってもしかして俺が関西人やからってイジってる?」

その言葉に全力で首を横に振る。

ソース味ばっかりを選んだのは間違いだった?そう肩を落としていると隣から聞こえてくる笑い声。

「冗談やって。この前、俺がソース味が恋しいって話したからやんな?ありがとう」

《ちょっと焦った》

「あはは、ごめんって。てか、普通にバームクーヘンもあるやん」


《それは織田くんのお母さんに。いつも飴を貰ってるから》


「母さん……?あぁ!ありがとう。渡しとくわ。なぁ、さっそくこれ食べでみいひん?」

そう言った織田くんの手にはソース味のキャンディ。


私が頷くと自分の手のひらに3種類の味を並べて、好きなものを選ばせてくれた。


そこから私はお好みソース味、織田くんはとんかつソース味を手に取る。


そして、2人同時に口へと運んだ。