あ、また笑った。

心臓がドクンと波を打つ。

皆藤くんにつられて私も手を振る。

それを見て更に大きく手を振る皆藤くん。


さすがに恥ずかしいからやめてほしい。

現に電車に乗っている人たちに注目されている。


でも、まあ、いっか。

皆藤くん、楽しそうだし。

今度は映画を見に行きたいのか。


…。


ってちょっと待って?!



「デートって1回だけじゃなかったのー?!」



電車の中で叫んでも、皆藤くんには聞こえるはずがなかった。