「どれもめちゃくちゃ美味いよ…」 「本当?」 「うん…」 伊吹くんはそのまま下を向いてしまって。 もしかしてマズイのに我慢して食べてたのかと思って心配になった。 「…大丈夫?お腹痛くなった…?」 「違う…」 伊吹くんはそう言って鼻をすすった。 「なんか、幸せすぎて、泣けてきた」 「なにそれ…」 伊吹くんの目に滲む涙を見て、もらい泣きしてしまいそう。 「俺、ホント色々諦めてたから…」 伊吹くんはそう言いながら一言一言、ゆっくりと話し始めた。