我が家には子どもが二人いる。

そして、
今朝も朝から私を巡って
喧嘩が勃発している。

私が家事を終えて
ソファに腰を下ろした途端
櫻ちゃんが待ってましたと言わんばかりに
私の膝に頭を乗せて甘えてきた。


「パパずるいよ!!」

そう言って、玲央(れお)は櫻ちゃんの
服を力いっぱい引っ張って
私から引き剥がそうと必死だ。

そう、この若干3歳で
すでに独占欲丸出しの男の子は
私と櫻ちゃんの息子、天草玲央。

櫻ちゃんソックリで
まるで櫻ちゃんをミニサイズにしたような
感じだ。

「速いもの勝ちだ」

そう言って櫻ちゃんは大人げなく
私の膝枕でテレビを見始めた。

「櫻ちゃん、また玲央泣き出しちゃうからっ」

「ちゃんと子供のうちから
この世は弱肉強食だってことを
教えておいたほうがいいんだよ」

そう言って、私の膝に頬を擦り寄せる。

この大きな子どものほうが
手が掛かるといっても
過言ではないだろう。

案の定、玲央は大泣きしながらも、
櫻ちゃんの頭を椅子代わりに
私の首元に抱きついてきた。