AM5:00

私の朝は早い。

riririri...

部屋中に鳴り響くスマートフォンのアラームに私は身をよじりながら枕から顔をあげた。

ムクッと体を起こすとふぁ~っと大きなあくびをひとつして眠気眼をごしごしとこすった。

もう朝か...

フラフラとした足取りで部屋に備え付けられた洗面台へと向かう。

まだ眠たい気持ちを引き締めるべく、
蛇口を開けて冷水でバシャバシャと顔を洗う。
ふわふわの真っ白なタオルで顔をふき
鏡に映るのは目ばかり大きくて鼻と口はこじんまりした童顔の見慣れた顔だ。

夢島羽菜(ゆめしまはな)
27歳独身彼氏生まれてこのかた無し。
童顔の上、服装もカジュアルなものばかりなので中高生に間違われることも多々ある。

メイクをもっと頑張ったら少しは大人の女性に近づけるかなとは思うけど、誰に見せるわけでもない
結局いつも日焼け止め入りのファンデーションにほんのり色つきのリップ、眉はちょこっと付け足すだけでハイ終了。
メイク時間5分という適当ぶりだ。

私は早々に着替えを済ませると、いつもの職場へと向かう。

職場といっても徒歩0分。

というのも、このお屋敷に住み込みで家政婦として働かせてもらっているからだ。

朝の通勤ラッシュなんて私には皆無だ。