(私ったら気が利かないんだから。再会したときに話すような内容じゃないでしょ)
「……いや」
一瞬の間のあと、史哉が首を横に振る。取り繕った笑顔に見えたのは気のせいだろうか。
「史哉さんは恩納村にはお仕事ですか?」
「そう、だね」
どことなく歯切れが悪い。聞いてはまずい話題だったか。
「それより美織のおじい様の話を聞かせて。琉球ガラスの話を」
穏やかな笑みを浮かべ、史哉がねだる。美織お得意の話題のため、つい乗せられて「祖父の作るガラス細工は……」と切りだした。
フレンチ料理を堪能しつつ、聞き上手な史哉と語らう。久しぶりの逢瀬で気持ちは弾み、話が尽きない。
「史哉さん、ひとつ聞いてもいいですか?」
どうぞ、と彼に目で言われて続ける。



