「僕も間もなく帰国するから、次は日本で会いましょう」


日本で会うときには、正直に自分のことをすべて明かそう。ホテルグループ、ラ・ルーチェの人間だと。
そう心に決め、美織と約束を交わす。


「帰国するんですか? うれしい」


美織は喜びいっぱいの顔で史哉に小指を突き出した。


「……指切りげんまん?」
「はい」
「キミという人は本当に……」
「――んっ」


かわいくてたまらず、美織を組み伏せキスの応酬をする。唇はもちろん額も頬も鼻先も、あらゆる箇所に口づけを落としていく。

そのまま先に進めたい誘惑に駆られたが、昨夜が初めてだった彼女に無理はさせたくない。


「日本で再会するまで我慢します。そのかわり次に会ったときには……」


美織の耳元に唇を近づけ、「覚悟しておいて」と囁いた。