気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】


あちこちに視線を泳がせて、その笑顔から逃げた。


「美織さんは吊り橋効果って知っていますか?」
「不安や恐怖を恋愛感情と間違えてしまうことですよね?」


緊張などからくるドキドキ感を一緒にいる人への好意だと認識する効果だと。


「そう。じつは美織さんに勘違いさせたくてここへ連れてきました」
「……え?」
「なんてね」
「も、もうっ、瀬那さんってば冗談ばっかり!」


軽く頬を膨らませて、繋いでいるほうの手で彼を小突いた。

そんなジョークは本当に勘弁してほしい。心臓がいくつあっても足りないではないか。
昨日と今日で、いったいどれほどの衝撃を受けただろう。その度に美織は翻弄され、ちょっとした勘違いを何度も打ち消した。

その後、ぐらぐら揺れる吊り橋をなんとか渡りきり、自然豊かな森を散策。バスでグラス・マウンテンへ移動し、標高一二五〇メートルからのパノラマビューを堪能する。

どの場所も壮大な景色に見入り、史哉と会話を弾ませ、とても楽しい一日だった。