気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

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翌朝、史哉のマンションで目覚めた美織は、彼が作ってくれたフレンチトーストとホットコーヒーで朝食を済ませ、観光へ繰り出した。

今日は少し足を延ばしてノースバンクーバーへ。市街地からバスで約四十分、キャピラノ渓谷へ向かった。

昨夜見舞われた予期せぬトラブルで、寿命が少し縮んだ気がする。日本から遠く離れた異国の地で路頭に迷った心細さは、思い出しただけでも体が震えてしまう。
史哉がいなかったら、いったいどうなっていたか。感謝してもしきれない。

並んでバスに座る史哉の横顔を横目でチラッと見たら、彼と目が合ってしまった。


「け、景色が綺麗ですね」


決して史哉ではなく、窓の外を流れる景色を見たのだと誤魔化す。


「そうですね。バンクーバーは都市部も自然も見所はたくさんあって、三泊では美織さんを案内しきれないのが残念です」
「それじゃ、また来ようかな」


軽い冗談のように口にしておきながら、よからぬ期待も胸に抱く。