大事そうに両手で包み込みながら、美織が目を細める。
「わかる気がします。僕もこのグラスにはひと目惚れしたので」
手にしたときの高級感と重厚感が、気泡が入ることでやわらかな印象をもたらせる。それはほかのガラス細工とはまったく違う感覚だ。
「そうですか! 私も大好きなのでなんかうれしい」
史哉の同意を得たせいか、控えめな印象だった彼女が、これまでになく声を弾ませて続ける。
「沖縄の美しい風景を閉じ込めたみたいですよね。これを見ていると沖縄を感じられて……。琉球ガラス工芸は、守っていくべきものだと思っています。――と言いつつ、沖縄を出て東京で働いているんですけど」
軽く肩をすくませて笑うが、琉球ガラスについて語る彼女の顔は、昨日今日と史哉に見せたどの表情とも違っていた。
優しい眼差しのなかにも芯のある強さと言おうか。瞳の輝きが違う。琉球ガラスが心底好きなのだろう。
グラスを見つめる美織の横顔に意図せず鼓動が乱れた。



