「よくわかりましたね」
「やっぱりそうでしたか。素敵」
声を弾ませ、表情を華やがせた。
「半年ほど前に、近くで琉球ガラスの展示会があったんです」
そこで購入したものだ。なんの気なしに立ち寄ったつもりが作品に魅せられ、つい何点も。食器棚にはほかにも小鉢やプレートが並んでいる。
「バンクーバーで展示会が? じつは祖父が沖縄で琉球ガラスを使った作品を作っているんです」
「琉球ガラスの工芸家ですか? なるほど。だから美術館で熱心に工芸品を……」
バンクーバー美術館を案内したとき、美織はカナダを代表するアーティストの作品を夢中で見ていた。史哉がプレゼントしたトーテムポールのキーホルダーの作者でもある。
「はい。ああいうものを見るとつい」
「美織さんも琉球ガラスを作ったことが?」
「幼い頃に何度かやらせてもらったんですけど、なかなか難しくて。いくつも割ってしまいましたので、きっと向いてないんでしょうね。でも琉球ガラスって、ガラスなのにどこかぬくもりがあって、いつまでも眺めていたくなるんです」



