気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

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史哉が暮らす二十階建てマンションは、ダウンタウン南の海岸線に隣接するコールハーバーにある。

プール、ジム、ラウンジなどにはコンシェルジュが常駐し、セキュリティ面における不安もなく、快適な生活を送るのには十分だ。最上階の自室は白を基調としたシンプルな内装で、3LDKとひとり暮らしには持て余すほど広い。

リビングの大きな窓から見える景色は、徐々に薄紫がかった黄昏色になりつつある。それを眺めながら、史哉はコーヒーを淹れてひと息ついた。


「……信じられないな」


ぽつりと呟き、小さく笑う。
知り合ったばかりの女性に自分からバンクーバーの案内を提案するなど、考えもしない展開には自分が一番驚いている。

世界各地に数あるブランドのホテルを展開する『ラ・ルーチェ』グループの御曹司であり、次期社長でもある史哉は仕事で各国を飛び回り、ここ何年も仕事が恋人といってもいいくらいに没頭してきた。

バンクーバーに滞在しているのは、傘下に置くグループホテルの建設ラッシュがブリティッシュコロンビア州であったためである。それも落ち着いたため、来月には帰国する予定だ。

忙殺されてきたこれまでの反動なのか、彼女とふたりで過ごした時間を思い返して自然と笑顔になる。