予想外の言葉をかけられたため、意味を理解するのに時間を要する。まばたきを激しくさせて史哉を見つめた。
「美織さんさえよければ、だけど」
「いいんですか?」
つい顔を輝かせる。史哉と明日も一緒に過ごせると想像するだけでワクワクが止まらない。ついでにドキドキも。
「では、明日も今日と同じ時間に」
「はい! ありがとうございます!」
ルンルン気分なのはきっと彼にも丸わかりだろう。その証拠に史哉は肩を揺らしてくすっと笑った。
史哉を見送り、預けておいたカギを受け取るためにフロントに向かう。足取りの軽さが美織の気持ちをなによりも物語っていた。
(明日も瀬那さんに案内してもらえるなんて)
想像しただけで頬が緩む。
『一二一四号室の夏川です。カギをいただけますか?』



