そんな言葉をかけられるとは思いもせず、目を見開いて史哉を凝視する。意図せず目が合ったため、そそくさと逸らした。
「私のは本当にひどいですから。かわいいだなんて全然……」
事実、見せてもらった写真は想像した通りのおかしな顔だ。恥ずかしくてじっくり見られないくらいに。
「本当にかわいい。この写真は永久保存版にしておきます」
「やっ、やめてくださいっ」
そんな写真をいつまでも残してほしくないし、永久保存版とはいかに。
意味深な言葉の数々にどぎまぎさせられる。今のはほんの冗談だからと自分に言い聞かせないと、とてもじゃないが平常心に戻れない。
「では、行きましょうか」
彼の言葉に翻弄されている美織とは裏腹に、史哉は何事もなかったかのように次の観光地へ誘った。
自分を褒められるのも女性を褒めるのも、きっと慣れているのだろう。女性の扱いに慣れているのは、昨夜バーで助けられたときから感じていた。



