史哉も覚悟を決めたようで、美織がしたように像の真似をしておどけたポーズをとった。
スマートフォンを構え、写真に収める。
「どうですか?」
自分の写りをたしかめようと、史哉が美織の画面を覗き込んだ。意図せず顔が近づいたため、それとなく半歩離れる。
昨夜から美織は彼にドキドキさせられてばかりだ。
「瀬那さん、ずるいです」
「なにがどうずるい?」
「だって、変顔しているのに素敵なんですもん」
写真の史哉は真っ白な歯を見せてにかっと笑っているはずなのに、スマートな笑顔にしか見えないのだ。容姿端麗な人間というのは、どんな表情をしようが、変なポーズを決めようが、すべて様になってしまうらしい。
「それは光栄ですね。でも美織さんだってほら」
史哉が自分のスマートフォンに先ほどの写真を表示させる。
「かわいいですよ」
「えっ」



