両親の仕事の都合で、小学生のときに東京に引っ越した。父方の祖父母は沖縄で健在だが、母方の祖父母も両親も他界している。
そんな話をしながら歩いていると、ふと美織の視界に奇妙なものが飛び込んできた。
「わぁ、あれ、なんですか?」
指を差し、小走りで駆け寄った。
おもしろいポーズをした像が何体も立っている。どれも満面の笑みを浮かべ、近くで見るとインパクトがものすごい。
「中国人アーティストのパブリックアートですね。そこに並んで立ってください」
美織に追いついた史哉がポケットからスマートフォンを取り出す。写真撮影だろうか。
「せっかくだから同じポーズで撮りましょう」
「えーっ、これと同じですか?」
「そう、それと同じ」
史哉が指差した像は顔の両脇で手を広げ、ユーモア満点の笑顔だ。



