気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】


小さな雲があちこちに浮かんでいるものの、昨日に引き続き青空が見える。絶好の観光日和だ。

史哉が美織を案内したのは、ダウンタウンにあるバンクーバー美術館だった。石造りの建物が重厚である。
史哉によると、もともと裁判所として使われていたものを改築して美術館になったのだとか。裁判所だったと言われれば、そう見えなくもない風格がある。


「じつは美術品にはとても興味があるんです」


エントランスの階段を上りながら隣の史哉を見る。
高尚ぶるつもりはないけれど、絵画はもちろん、その土地ならではの工芸品なども大好きだ。


「そう、それはよかった」


返された微笑みが息をのむほど美しい。もしかしたら、これから鑑賞する絵画よりも綺麗なのではないか。
昨夜出会ったときもそうだったが、思わずじっと見つめてしまってかなわない。不自然にならないように視線を外し、前を向いて入口を抜けた。

館内は四フロアに分かれており、カナダ出身のアーティストの絵画や彫刻、写真、映像アートなどが展示されているらしい。中でもカナダを代表する女性画家のギャラリーは最大の見所だと史哉が言う。