「ハウス……キーパー、さん?」
「そう。マンションがそういうサービスを提供していてね。だから安心して鍵も預けてる。……前に話さなかった?」
史哉が不思議そうに聞き返す。
今、思い出した。
初めてここを訪れたとき、ハウスキーパーを頼んでいる話ならたしかに聞かされた。
「なんだ、よかった……」
安心した途端力が抜け、その場にヘナヘナと座り込む。
「もしかして今の女性と僕の関係を疑った?」
「若い女性だったから」
まさかハウスキーパーだとは思いようもない。美織の勝手なイメージでは、もっと年配の女性だ。
「昨日、電話で話したいことがあるって言っていたから、もしかして今の女性の話なんじゃないかって……」
ものの数十秒のうちによくない想像を次々にしてしまった。逞しすぎる妄想力が恨めしい。



