美織にとって琉球ガラスはとても大切なものだが、史哉はそれ以上の存在。ほかに代わりは務まらないのだ。
一番そばにいてあげたいときにいられないのは、家族の形として理想とは言い難い。
「美織? どうかした?」
考え込んでいることに気づかれてしまった。
「あ、ううん、なんでもないです。塩加減は大丈夫ですか?」
「ああ、おいしい。久しぶりに美織の手料理を食べられて幸せだよ」
頬を綻ばせる史哉を見て、胸の奥がきゅうっと切ない音を立てる。
やっと会えた大切な人なのに、離れたまま生活していていいのか美織はわからなくなっていた。



