「顔、真っ赤だけど?」
「史哉さんがいけないんです」
軽く唇を尖らせると、史哉は「ごめんごめん」と言いながら美織の頬を撫でた。
「お腹空いてませんか?」
「じつはペコペコ。それで目覚めたくらい」
空腹を覚えるくらい回復しているようでホッとする。
「お粥ですけど食べますか?」
「もっとガッツリいきたいところだけど、病み上がりだし我慢しようか」
「お昼にはもっと力がつくものを作りますから、そうしてください」
サイドテーブルに置いたお粥をトレーごと彼に手渡すと、史哉はレンゲですくってフーフーいいながら食べはじめた。
その様子を見つめながら、ふと考える。
(私たちって、このままで本当にいいのかな)
一般的な妻なら、あたり前にできることが今の美織にはできない。今回はその日のうちに駆けつけられたが、急を要する事態では無理がある。



