「ひとりにしてごめんなさい。いつから具合が悪かったんですか?」
「一昨日くらいかな。先週末は沖縄に行けなかったから、なんとしても仕事を片づけて行くぞって」
「そんなに前だったなんて……。早く教えてくれれば、もっと早く来たのに」
「美織に移すわけにはいかないよ」
一緒に暮らしていれば、彼の異変にも気づいただろう。それが悔やまれてならない。
「こう見えて私、強いんですよ? この四年間くらい風邪ひいてないんですから」
「逞しい妻でなによりだ」
「だから遠慮しないでなんでも言ってください。今なにかしてほしいことはありますか?」
「それじゃ着替えようかな。ちょっと汗を掻いたみたいだ」
史哉に洋服の場所を教えてもらい、タオルを濡らして持参する。史哉はスタンドライトをつけ、ベッドに体を起こしていた。
「自分で拭けると言いたいところだけど、せっかくだから美織に甘えようかな」
「もちろんです。私がやりますからパジャマを脱いでください」
お世話をするためにここまでやって来たのだから。



