(やっぱり熱がある)
電話では答えなかったが、美織を心配させないためだったのだろう。
万一のためにコンビニで手に入れた冷却シートを慎重に額に貼る。――と次の瞬間、史哉が薄っすらと瞼を開けた。
「ごめんなさい、起こしちゃいましたね」
「……美織? 僕は夢を見ているのか?」
かすれた声は電話で聞いたときのまま。史哉の瞳が頼りなく揺れ、布団の中から出した手で美織の頬に触れた。
「沖縄から飛んできました」
「どうして」
「史哉さんが心配だったから」
「そうか。悪かった」
髪を撫でて力なく笑うのが痛々しい。
「陽向は?」
美織がひとりなのが気になったのだろう。祖父たちに預けてきたから大丈夫だと伝えると、ほっとしたように肩から息を吐いた。



