史哉の背中に腕を回し、きつく彼を抱きしめる。
「そんなことを言う覚悟はできてる?」
こくんと頷いて答える。徐々にスピードを上げていく鼓動が耳の奥で反響するほど大きい。
「陽向は一度寝たら朝まで起きないと言ったね?」
「……はい」
「親孝行な息子だ」
ふっと笑った史哉の肩が揺れる。
今日は初めての飛行機に大興奮したうえ、初対面した祖父母に遊んでもらった。史哉との時間も堪能し大いにはしゃいだ一日だったため、寝言を言う余裕もないほど疲れているだろう。きっと朝までぐっすりだ。
「それなら朝まで僕が美織を独占できる」
「私も史哉さんを独占していいんですね」
いつも陽向の次のポジションに甘んじてきたが、今夜は美織だけの史哉だ。



