(きゃっ!)
急いで顎ギリギリのラインまで体をお湯に沈め、目線だけを史哉に向ける。かなり挙動不審だ。
「ママ、いいでしょ?」
「で、でもでも……」
陽向はもちろん、先ほどまで美織側にいたはずの史哉まで懇願するような眼差しを向けてきた。
「さんにんではいりたい」
「そうか。陽向はどうしてもパパとママと一緒に入りたいか」
陽向に寝返り、史哉が賛同しはじめた。やけにノリノリなのは気のせいか。
「うん!」
「ママ、どうする?」
意見を聞いていると見せかけ、その顔は同意を求めているも同然。断れない状況にもっていかれて美織の逃げ道がなくなる。
この頃は特に一度言いはじめたら聞かない陽向のこと。ここでいつまでも押し問答していたら風邪をひかせてしまう。



