アパートや祖父母宅のお風呂ではこうはいかない。バスタブも、ふたりで入れるとしても足は伸ばせないのだ。
「パパもいっしょがいい」
「ちょ、ちょっと待って」
史哉を呼ぼうと考えたのか、湯舟で立ち上がった陽向を急いで引き留める。
(一緒に入るなんて無理……!)
陽向を身籠る前だって彼とそんな経験はなく、再会後に至ってはキスすらしていない。
そんな雰囲気に何度かなりかけたが、常に陽向がそばにいるためタイミングが掴めなかった。
「パパはもう少ししてから入るって」
「えーっ、そんなのやだぁ。いっしょにはいりたいー」
「だ、だけどほら、ここから呼んでもきっとパパには聞こえないから」
「やだやだやだ。ほいくえんのおともだち、みんなパパとはいってるのに」
必死に説得するが、陽向は首を横に振って一向に納得しない。地団太を踏み、イヤイヤを繰り返す。
「ぼく、よんでくる!」



