結婚を推していた史哉の叔父も黙っていないのではないか。
「週末はなるべく沖縄に行くようにする。それ以外にも会いたくなったら飛んでいけばいい。飛行機で何十時間も離れた場所に住むわけじゃないんだから。僕は美織に無理強いをするつもりはない」
「……史哉さん、優しすぎます」
彼の母親から問われたときにも、真っ先に美織を庇ってくれた。
「いや、僕は美織と対等な関係でいたいだけ。どちらかが我慢しなければならない関係は、いずれ破綻する。美織とはこの先一生の付き合いなんだから」
目先の想いだけに捕らわれず、未来を見据えた史哉の真摯さに心が震える。
ふたりがふたりであるために。一緒に暮らしているからといって、関係性が良好だとは限らない。美織たちなりの幸せを見つけていけばいいのだ。
「史哉さん、ありがとう」
史哉は微笑みながら美織の手を取ってそっと握った。
「美織、これ覚えてる?」



