史哉の実家をあとにした美織たちは区役所で無事に婚姻届を提出。晴れて家族となったお祝いにイタリアンレストランで夕食をとり、史哉のマンションへやって来た。
モダンな建物が並ぶ住宅地と豊かな自然が共存しており、三階建て低層で全十戸のラグジュアリーなマンションだ。
世界的に有名なレストランや高級ホテル、スタイリッシュなショップなどが近くにあり、最先端のアートが楽しめる美術館も点在している。
地下駐車場に並ぶ車は、どれも超がつく高級車。アッパークラスの人たちが住んでいるのがひと目でわかった。
じつは初めての訪問のためソワソワしながらコンシェルジュがいるカウンターを通り、セキュリティーゲートを何度か抜ける。そうして辿り着いた部屋に足を踏み入れた美織は、彼の実家のとき同様に言葉を失くした。
高級マンションに住んでいるのはおおよそ見当がついていたが、美織の想像を遥かに超えたものだったのだ。とはいえ、高級物件を見慣れていない美織では想像の範囲もたかが知れているけれど。
「ママぁ、パパのおうちすごいねぇ」
「本当ね……」
玄関ホールからアーチ状の開口部で続くリビングは、白を基調として部分的に天然木の腰壁があしらわれ、凛とした雰囲気の中にもあたたかみがある。



