史哉をそこで見送り、陽向が眠る布団のそばに腰を下ろす。力が抜け、ものすごい虚脱感だ。
史哉が以前と変わらず美織を想ってくれていると知った嬉しさと、怪我をさせた陽向へのすまなさが絡み合い、複雑な心境の中にいた。
ふと鳴ったインターフォンが美織の意識を呼び戻す。
やって来たのは、病院を出る前に連絡を入れておいた祖父母だった。心配で駆けつけてくれたようだ。
靴を脱ぎながら陽向の様子を尋ねられ、泣き疲れて眠っていると答える。ふたりは陽向を挟むようにして布団の脇に座った。
「私が目を離したせいで陽向が……」
どうしても後悔が先に立つ。何度思い返してみてもそう。
陽向が工房にいるときは、いつも気をつけてきた。それができないような状況に陥ったのは、美織の失態だ。
「子どもはずっと見ていたってケガするときはするもの。だいたい片時も離さず、ずっと見張っているなんて無理な話だ。今回は大事に至らなかったんだから、自分を責めるな」
「そうよ。これから気をつければいいじゃない。陽向が火傷したことと、美織と瀬那さんのことは別問題よ」



