赤くなっているだけならまだしも、皮がめくれている。このままにはしておけない。
史哉は陽向を抱き上げ、彼の車に設置してあるチャイルドシートに座らせた。
「陽向くん、お医者さんに診てもらおう。もう少しの辛抱だ。できるね?」
「……うん」
泣き腫らした目で小さく頷く。火傷を負った右手は痛みでふるふると震わせているのに、唇を嚙みしめて堪える姿がいじらしい。
「さすが男の子だ、強いな。美織、行こう。乗って」
陽向の頭をひと撫でし、美織を促す。
「はいっ」
急いでその隣に乗り込んだ。
涙で濡れた陽向の頬をハンカチで拭いながら自責の念に駆られる。
ずっと陽向を一番に考えてきたのに、あのとき美織は文哉しか見えていなかった。



