一目散に彼の元へ駆けつけると、溶解炉は扉が開いたまま。溶けたガラスが炉の中で真っ赤な色を晒している。
「――まさか」
ハッとして陽向を見ると、右の手のひらが真っ赤にただれていた。
「陽向! やだ、どうして!」
わんわん泣き叫ぶ陽向を見て気が動転する。
史哉の訪問に気が取られ、溶解炉の扉を開けっぱなしにしていたのだ。陽向はそのどこかに手で触れてしまったのだろう。
「陽向、ごめん! ごめんね……!」
完全に美織の不注意。溶解炉を開けっぱなしにするなんてありえない失態だ。
「美織、とにかく冷やそう」
史哉は、痛みで泣き喚く陽向を工房内にある手洗い場に素早く抱き上げる。蛇口をひねり、手のひらを水で冷やしはじめた。



