史哉は一歩足を前に踏み出し、美織の手を取った。
「僕はまだあきらめていない。今度こそ美織を手に入れるから」
「史哉さん……」
握られた手のぬくもりが、彼の想いを痛いほどに伝えてくる。
あのときとは違う。疑いようのないたしかな愛と、注がれる眼差しに強い意思を感じて、胸がきゅうっと苦しくなった。
「私も――」
美織が素直な気持ちを伝えようとしたそのとき。
「ギャーッ!!」
叫びとも悲鳴ともつかない声が美織の耳をつんざいた。
反射的に振り返ると、陽向が溶解炉のそばにしゃがみ込んでいた。
火がついたように泣きはじめる。
「陽向! どうしたの!?」



