翌日、美織は陽向を祖父母に託し、東京へ向かった。
多忙な史哉に直接渡せる確証はないが、彼の顔を見られるかもしれないと思うと胸が高鳴る。大事な仕事を任されたのに不謹慎だと頭ではわかっていても、再会してから日に日に大きくなっていく彼への想いは自分でも抑えきれないほどになっていた。
(史哉さんに会えるといいな……)
仕事の合間のほんの少しでいい。書類を渡すときだけでいい。
もしも約束せずに会えたら……。
想いのまま、素直な気持ちを伝えよう。
泊まる予定のない日帰りの東京だが、賭けにも似たささやかな期待を胸に秘め、飛行機の窓の下に広がる白い雲を眺めた。



