繋いだ手の感触や、時折向けられる彼の視線に好意があるようにも思えて動揺する。

浅はかな期待なのはわかっている。そうならいいのにと願う美織が抱く幻想なのかもしれない。

家族三人で歩く未来がかすかに見えた気がして、はやる胸の内を抑える。寝息を立てて眠る陽向の頬をそっと撫でた。