なにも知らない人にはきっとごく普通の家族に見えるに違いないが、そう見られているのかと思うと落ち着かない。ほかの人の視線なんて気にするところじゃないのに。
ともかく今日は楽しもう。
変なリズムを刻む鼓動を落ち着かせ、〝サンゴの海〟に足を進める。
「わー、すごーい! ねえ、ママ! キラキラ!」
屋根のない水槽には沖縄の太陽が燦々と降り注ぎ、眩い光を放っている。沖縄の海とひとつ繋がりになっているかのような美しいサンゴ礁に見惚れていると、色鮮やかな熱帯魚の群れが目に飛び込んできた。
「きれーなおさかなもいるよ!」
陽向が繋いでいた手を解き、背負ったリュックを揺らして水槽に近づく。
「ほらっ、ママ、いろんないろ」
ひらひらと目の前を泳ぐ小さな熱帯魚を指差し、「よかったね、ママ」と満面の笑みだ。
「うん、よかったね」



