素直に答えたくせに、直後に怖気づき慌てて理由をとってつける。蘇った彼への恋心を正直に打ち明ける勇気はない。
「そうだね、僕も陽向くんを喜ばせたいと思ってる」
(……ほら、ね)
やはり史哉は陽向との時間を持つために美織に会うのだと思い至る。当然であって、それは責めてはいけない。
うっかり浮かんだ寂しい気持ちを封じ込め、晴れ渡った空を見上げて気持ちを切り替える。
快晴。雲ひとつない青空が清々しい。
「ママー、はやくいこー!」
堪えきれなかったのだろう。史哉に抱っこされた陽向が美織たちを急かした。
「そうね、行こうか」
「よし、陽向くん、車に乗ろう」
「うん!」
アパートの前に停車していた彼の車に乗り込む。陽向は後部座席のチャイルドシート、美織はその隣に並んで座った。



