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陽向が指折り数えた日曜日がいよいよやって来た。
史哉がアパートに迎えに来るや否や「おにいちゃんだ!」と玄関に飛び出し、彼の胸に飛び込む。
毎朝の登園準備すらまだままならないのに、昨夜は自分のリュックにハンカチやティッシュペーパーを詰めるほどの張りきりぶり。布団に入り、お決まりの絵本を読んでも興奮してなかなか寝つかなかった。
軽々と陽向を抱き上げた史哉が美織に「おはよう」と笑いかける。
「おはようございます」
「歓迎ぶりがうれしいね」
「とても楽しみにしていたので」
「それは美織も?」
どこか遠慮がちに問われて返事に窮する。昨夜は陽向同様、美織もなかなか眠れなかった。
史哉の目的は陽向なのに浮かれるなんて、どうかしている。でも気持ちが急いて、胸が騒いで、どうにも収まらなかったのは事実。
『美織は素直なのが一番よ』
先日、悦子に言われた言葉が不意に頭を過った。
「楽しみにしていました。……あっ、つまりその、それは陽向の喜ぶ顔が見られるだろうなと思って」
陽向が指折り数えた日曜日がいよいよやって来た。
史哉がアパートに迎えに来るや否や「おにいちゃんだ!」と玄関に飛び出し、彼の胸に飛び込む。
毎朝の登園準備すらまだままならないのに、昨夜は自分のリュックにハンカチやティッシュペーパーを詰めるほどの張りきりぶり。布団に入り、お決まりの絵本を読んでも興奮してなかなか寝つかなかった。
軽々と陽向を抱き上げた史哉が美織に「おはよう」と笑いかける。
「おはようございます」
「歓迎ぶりがうれしいね」
「とても楽しみにしていたので」
「それは美織も?」
どこか遠慮がちに問われて返事に窮する。昨夜は陽向同様、美織もなかなか眠れなかった。
史哉の目的は陽向なのに浮かれるなんて、どうかしている。でも気持ちが急いて、胸が騒いで、どうにも収まらなかったのは事実。
『美織は素直なのが一番よ』
先日、悦子に言われた言葉が不意に頭を過った。
「楽しみにしていました。……あっ、つまりその、それは陽向の喜ぶ顔が見られるだろうなと思って」



