「美織が尻込みするのはよくわかる。本当に立派な人だもの。でも瀬那さんは、そんなふうには考えていないんじゃないかしら」 顔を曇らせる美織の背中に、悦子がそっと手を添える。 「とにかく自分の気持ちを大切にして。美織は素直なのが一番よ」 「うん……」 曖昧に頷くと、悦子は優しく微笑んだ。