めいっぱい広げた腕でも足りないと史哉が煽り立てるものだから、陽向は足をばたつかせて興奮しはじめた。
「ひなた、みたーい!」
「よし、じゃあ決まりだね。今度の日曜日に行こう」
「うん、いくー。ママもだよね?」
陽向が目を三日月のように細くして尋ねる。
「もちろんだよ、陽向くん。ママがいなきゃはじまらないだろう?」
「でも史哉さん、お忙しいんじゃないですか?」
もともと沖縄には仕事で来ているはず。夕方に花火をする程度なら差し障りはないだろうが、水族館へ行けばほぼ一日潰れてしまう。
「美織は僕を日曜日も働かせるつもり?」
いたずらっぽい目がルームミラー越しに美織を見る。
「あ、いえ、そういうつもりはありませんが……」
「じゃオッケーだね」
美織を置いて話がどんどん進んでいく。



