「ほら、おいで」
「ママ」
意地を張って断固拒否の姿勢を貫くのもどうかと思い、美織はおずおずとふたりに近づいた。
陽向に誘われているから渋々。へそを曲げられたら大変だから。
花火に加わる理由をとってつけ、自分を納得させる。
「どれがいい?」
「……これにします」
史哉から差し出された中から一本を引き抜いた。
ろうそくにつけると、すぐさま色とりどりの火花をまき散らす。パチパチッと音を立てながら弾ける様はとても派手だ。
「ママのもきれー」
「ほんとね」
「ぼく、もっとやるー」
意気揚々と選んだ花火に次から次へと火をつけていく。
「おにいちゃんも!」
「そうだね。おにいちゃんはこれにしようかな」



