史哉は立てたろうそくに、あらかじめ準備していたライターで火を灯した。
「いいか、陽向くん、一本ずつだよ」
「うん!」
元気よく返事をしながらろうそくに花火の先端部分を近づけると、ススキのような見た目の火花が勢いよく出てきた。
シューッと音を立て、時間の経過とともに色を変えていく。
「わーっ、すごーい。ママー、みてー!」
少し離れた場所に立つ美織に陽向が振り返る。満面の笑みを見れば、美織も顔が綻ぶ。
「綺麗ね」
「うん、きれー。ママもやろ」
「ママは陽向がやっているのを見てるから」
「ダメ。ママも」
首を横に振るが、陽向がその場で足踏みをして抗議する。
「美織、一緒にやろう」
見かねた史哉が隣から手招きをしてきた。



