*触れられた頬* ―冬―

「それじゃあ、団長は?」

「え? あ、そうですね……お、じい、ちゃん……?」

 つい脳裏に浮かんだ言葉を口にしたが、モモはいけない気持ちがしたのか、言いよどみながらバツの悪そうな顔をした。

「高岡のお父様と同い年なのに、それはないですよねぇ……」

「いや、いいんじゃねぇの? あの太鼓腹は布袋(ほてい)様って感じだしなーしかし俺は随分子沢山で、団長は相当な孫やひ孫持ちだな!」

「そうですね~でも暮さんも、鈴原お兄さんや、秀成君や、先輩のお父様みたいに、すぐ『パパ』になっちゃうんじゃないですか?」

「え!?」

 モモとは思えない返しの言葉に、慌てて視線を合わせてみれば、普段自分がしているような冷やかしの表情が向けられていて、暮は刹那に赤面した。

「あたしだって知っているんですよ~暮さんが茉柚子さんとお食事に行ったこと!」

「えええっ!!」

 こんな所で反撃を喰らうとは思いもよらず、頭頂部から足の先まで熱い何かが駆け巡り、次第にその表面がピンク色に染められていくことに気付かされた。