聖七と大河の住むマンションは、会社と病院の中間辺りに位置する。マンションからはどちらに行くにも徒歩で行けそうだ。

 都会の一等地にあるこのマンションは、低層マンションでエントランスから高級感が漂う。世帯数は少なそうだが、コンシェルジュが常駐している。

 エントランスで、聖七と香月姉弟を降ろし、大河は地下駐車場に向かった。姉弟は、荷物の入ったスーツケースをそれぞれ持っている。

「お帰りなさいませ、最上様」

「こんばんは。今日から彼女達もここに住むことになりました」

「左様でございますか。では、書類をお渡ししますのでご記入の上、提出願います。合鍵は、どうされますか?」

「ああ……。二本作ってもらえますか?」

「承知いたしました」