『ダサ専』と言っている奴らは、相手にしない。

 いつか後悔はさせてやりたいとは思うが、今じゃない。

 副社長ではなく、専務という立場が曖昧でちょうど良い。幸い社長である父親は、まだまだ元気で現役だ。

 実際の聖七は、この会社にはなくてはならないやり手の御曹司なのだが、気づいている者がいるのだろうか……。

 そして『ダサ専』ではない、本当の姿をみんな知らず知らずに目にしているのだ。

 真実はまだ闇の中……。

 聖七は、想い人を手に入れるため動いてはいるが、まだはっきりとした返事は貰えていない。

 早くこの手に……。

 タイムリミットはあと少し……。