「悠馬くん、今、どこにいるの?」 あたしの声が少し震えた。 『……』 「……ねぇ、どこ?」 『……鞠奈、今もこのマンションに住んでいるの?』 ぶわっと。 足元から体温が頭めがけて、かけのぼっていくみたいな、妙な感覚。 気づいたらあたしは。 部屋を飛び出して。 マンションの入り口まで走っていた。