拾った男,まさかの一生もん

ー後日談ー



完全にうちに慣れたあずさ。

最近じゃあ勝手に風呂なんかも掃除しては勝手に使うようになった。



「ゆうー」



またあずさが俺を呼ぶ声がする。

あずさには俺に対して甘え癖があるようだ。



「昼メシまだー?」

「あ? まだ気分じゃねぇ。少ししたら作ってやるから待っとけ」

「うっし。えー,でも腹へったー」



どっちなんだよ。

俺がめんどくさそうに視線を送ると,あずさはゴロゴロと2回転して。

結局。



「腹へった」



と言った。

俺が断ると,また悩むようにさっきとは逆方向に2回転して。

立ち上がったかと思えば俺の前にしゃがむ。



「じゃあ…きすして」



両手を広げて,あずさは俺を見た。



「はっ…そうゆうのは」



俺はあずさの頭をぐっと引き寄せ,軽くキスをすると



「その先を覚悟してから言うんだな。悪いが昼飯はもっと後」

「ちょっ……ゆー」



その体を,大きく抱えあげた。

ジト目で俺を見ながらも,まんざらでもない様子のあずさ。

俺はそれを目の端で捉えながら,一直線に歩いた。

まさか気まぐれで拾った男が…

俺にとっての一生もんになるなんてな。

目的は,俺の部屋。

ただ1つ。





                おしまい