ほんの一瞬、先輩の瞳が見開かれたのを私は見逃さなかった。
しかし、それも数秒の出来事。
次の瞬間には、いつもの余裕のある笑みを浮かべて私を見ていた。
そして、霧谷先輩が何か言いかけて口を開いた時。
「真凛ー!お待たせ。遅くなってゴメン……ってあれ?霧谷?」
ガラッと、部室の扉が開き顔を覗かせたのは、美桜先輩だった。
「……来たね。葉山ちゃん結構長く待ってたよ」
「え、マジ?真凛、ごめんね…!あとDVDなんだけど、今日持ち物検査あってさ…。慌てて下駄箱に隠したんだよ。そっちにあるからついでに一緒に帰ろ〜」
美桜先輩が霧谷先輩の言葉に、慌てて誤ると、笑顔で私に声をかける。
「真凛行こう…!じゃ、霧谷お疲れ様〜」
それだけ言い残し、部室を後にする美桜先輩に続き私は席を立ち慌てて彼女の背中を追いかけた。
「あ…!はい!…霧谷先輩お疲れ様でした」
「うん。葉山ちゃん、またね」
ヒラッと軽く手を振る先輩を気にしつつ、私は小さく会釈をすると部室をあとにしたのだった---。



