「玲子さんの家って…季里、明日行く予定じゃなかった?しかもここまで来て何で玄関先に隠れてんのさ」
呆れたような充希くんに返答しようと口を開いた時だった。
玄関のドアが開く音が聞こえ、私はとっさに目の前に立つ充希くんの腕を引っ張ると。
「…っ!充希くん、こっち!隠れて」
「は?な、何…」
意味がわからず、戸惑う彼にお構い無しで私は、近くにあった車庫のガレージに隠れる。
「季里…何で隠れる必要が…」
「しっ!…静かに」
「……」
充希くんの口を手で軽く塞ぎ、私は顔の前でシーッと人差し指を立てた。
すると。
「お兄ちゃんのバカ、心音はお泊りしたかったのに〜」
「また今度な。おばさん、急に来てゴメン…。時間取れたらまた会いに来るよ」
「…ハァ。いいわよ、別に今さら謝らなくて〜。まぁ、私の連絡を完全無視してた時はどうしてくれようかって怒り心頭だったけどね。こうやって可愛い妹を連れて会いに来てくれたし許してあげるわ。ま、いつでも遊びにきなさいな」



